引き受けたくない仕事を上手に断るコツはあるのか。米シリコンバレーでアップルやグーグルなどのコンサルティングをしているグレッグ・マキューン氏は、「断り方がうまい人は、他人から尊敬される。上手な断り方の8つのレパートリーをお教えしよう」という――。
※本稿は、グレッグ・マキューン『エッセンシャル思考』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
周囲の期待やプレッシャーに負けて、不本意なイエスを言っていないか
少ない時間とエネルギーで最大の成果を出すための考え方を「エッセンシャル思考」という。非エッセンシャル思考の人は、周囲の期待やプレッシャーに負けて、不本意なイエスを言ってしまう。よく考えもせず、相手を喜ばせるためだけに仕事を引き受ける。
単純に、そのほうが気分がいいからだ。
一方、エッセンシャル思考の人は、そうした気分のよさが長続きしないことを知っている。一瞬の満足のあとでやってくるのは、深い後悔だ。なぜこんなことをやらねばならないのかと、相手を恨み、自分を責める。もっと重要な仕事が犠牲になったことに気づき、ショックを受ける。
あらゆる依頼を断れと言っているわけではない。本当に重要なことをやるために、本質的でない依頼を断るのだ。
肝心なのは、絶対にやるべきこと以外のすべてに対して、上手にノーと言うことである。
では、どうすれば上手に断ることができるのだろうか。いくつかのコツと実例を紹介しよう。