血糖値上昇を防ぐには何をすればいいか。佐久市立国保浅間総合病院の糖尿病センター長の西森栄太さんは「『ストレスとうまく付き合う力』を身につけ、心が安定すると、結果的に血糖値や体重のコントロールも良くなる。科学的に効果が確認されているストレス軽減法を紹介する」という――。

※本稿は、西森栄太『2型糖尿病は寛解する!』(新星出版社)の一部を再編集したものです。

朝起きて深呼吸する女性
写真=iStock.com/Ivan Pantic
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ストレスと血糖上昇の相関関係

糖尿病の治療と聞くと、多くの人は「食事」「運動」「薬」を思い浮かべます。しかし、見落とされがちな、もう一つの重要な要素があります。それが「ストレス」です。

ストレスを感じると、私たちの体は「ストレスホルモン」と呼ばれるアドレナリンやコルチゾールを分泌します。これらのホルモンは血糖値を上昇させる働きがあります。進化の過程において、ストレス=危機(敵から逃げる、飢餓に備えるなど)という状況では、エネルギー源である血糖を高める必要があったためです。

しかし、現代社会のストレスは、仕事の締め切りや人間関係、不安、孤独など「戦う必要のないストレス」が中心です。これらが慢性的に続くと、血糖値のコントロールが難しくなってしまいます。糖尿病のある人では、もともとインスリンの働きが悪くなっている(インスリン抵抗性)ことが多く、ストレスによる血糖上昇がより顕著に表れます。

さらに、ストレスは食行動にも影響します。イライラや不安を感じると、「甘い物が食べたい」「つい食べ過ぎてしまう」といった行動に結びつくことがあります。これは「情動的摂食」と呼ばれ、ストレス時に食べることで脳が一時的な安心感を得ようとする自然な反応です。

おいしいものを食べたときに幸せな気持ちになるのは、脳内で“幸せホルモン”と呼ばれる物質(セロトニンやドーパミンなど)が分泌され、ストレスが軽減されるためです。