アインシュタインも遊びに重きを置いていた

<遊びが大切な理由1>

遊びは選択肢を広げてくれる。それまで気づかなかった可能性や、思いがけないつながりに気づかせてくれる。遊ぶことで、私たちの視野は広がり、常識にとらわれないやり方が見えてくる。意識の流れが豊かになり、新たなストーリーを発見できる。

あのアインシュタインも、次のように語っている。

「自分自身や自分の考え方を振り返ってみると、有用な知識を覚える能力よりも、空想する力のほうが大きな位置を占めているようだ」

<遊びが大切な理由2>

遊びはストレスを軽減してくれる。ストレスは生産性を下げ、好奇心や創造性の働きを弱める。仕事でストレスを感じたとたん、何もかもがうまくいかなくなるという経験は誰にでもあるだろう。部屋の鍵は見つからず、物にぶつかりやすくなり、キッチンのテーブルに大事な書類を置き忘れる。

最近の研究によると、これはストレスが脳に影響を与えるためらしい。ストレスによって感情をつかさどる部分(扁桃体)の働きが強くなり、認知機能をつかさどる部分(海馬)の働きが弱くなるのだ。その結果、うまくものを考えられなくなってしまう。

遊びは脳を刺激し、ビジネスに不可欠なスキルを高める

<遊びが大切な理由3>

遊びは脳の高度な機能を活性化する。精神科医のエドワード・M・ハロウェルによると、「(遊びは)脳の実行機能に良い影響を与える。実行機能とは、計画、優先順位づけ、スケジューリング、予測、委譲、決断、分析など。つまりビジネスでの成功に不可欠なスキルの多くを含むものである」

遊びは脳の論理的で冷静な部分を刺激すると同時に、自由奔放な探究心をも刺激してくれる。主要な発見の多くが遊びを通じて生まれるのは、そのためだ。ハロウェルはこう述べる。

「コロンブスは遊んでいるときに、地球が丸いことを思いついた。ニュートンはぼんやりと心を遊ばせているときに、木から落ちるリンゴを見て万有引力の着想を得た。ワトソンとクリックはDNAの形を遊び半分で空想していたとき、二重らせんという形に行き着いた。シェイクスピアは言葉遊びを生涯やりつづけた。モーツァルトは寝ているとき以外はつねに遊んでいた。アインシュタインは実験という行為こそ、精神が遊びを求めている何よりの証拠だと考えた」