小説家の高嶋哲夫氏が10年前に書いた『首都感染』が新型コロナの発生を予言した本として話題になっている。一体どうやってつくり上げたのか。イーオンの三宅義和社長が聞いた――。(第1回/全2回)
ポストコロナ社会のヒントは、6年前の小説に書いた
【三宅義和(イーオン社長)】高嶋さんは、2010年に書かれた『首都感染』(講談社)が新型コロナウイルスのパンデミックを予言していた、として話題を集めました。これは高嶋さんの元科学者という経験が活かされたわけですね?
【高嶋哲夫(小説家)】そうですね。歴史を調べ、現在を分析し、多少の想像力を働かせれば、どんなことが起きるかは大体わかります。これは僕の多くの作品に当てはまります。
【三宅】高嶋さんからすれば、当然起こりうる話だったと。
【高嶋】ええ。いまは「ポストコロナの社会をどうするか」みたいな議論がありますが、それも2014年に出版した『首都崩壊』(幻冬舎)の中に、ある種のヒントを書いています。ひとことでいうと、「新しい日本の形を」という話なんですけどね。