娘3人は中学、高校からアメリカに留学

【高嶋】作家として生計を立てはじめて感じたことは、「人には向き不向きがある」ということです。無理してオールラウンダーを目指す必要はまったくなくて、自己を知って、自分が一番生きやすい状況を見つけ、そのために必要なスキルを伸ばしていけばいい。これは僕の教育理念にもなっています。いまのグローバルな時代、英語は「生きやすい状況」をつくるために必要なスキルだと思っています。特にこのコロナ禍で顕著になったと思っています。世界はつながっている、ということです。

三宅 義和『対談(4)! プロフェッショナルの英語術』(プレジデント社)
三宅 義和『対談(4)! プロフェッショナルの英語術』(プレジデント社)

【三宅】まったく同感です。

【高嶋】以前までは「母国語でしっかりと考えられるようになることが大事」と思っていましたが、現在の世界情勢を考えると、そして自分の経験から言うと、できるだけ早い時期に英語を学ぶべきだと思います。もちろん、日本語も学んだうえでですが。

僕には娘が3人います。3人とも中学、高校からアメリカに行き、高校、大学とアメリカです。2人は僕がドロップアウトしたUCLAを卒業しました。現在2人の娘がアメリカで暮らしています。僕も子供の頃から生活の一部として英語に触れていたら、いまとは違った人生になっていただろうなとは思いますね。

【三宅】では、日本の小学校で3年生から英語を教えることになったのは賛成ですか?

【高嶋】教えることは賛成ですが、現在のシステムと先生たちでは難しいでしょう。英語を自由に話せない人が教えるには、限度がある。民間の力をもっと活用して、ネイティブの先生をもっと入れないと、結果の出る英語教育はできないと思います。

イーオン社長の三宅義和氏(左)と小説家の高嶋哲夫氏(右)
撮影=原 貴彦
イーオン社長の三宅義和氏(左)と小説家の高嶋哲夫氏(右)
(構成=郷 和貴)
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