コロナ禍でわが子と向き合う時間が増えたという人も多いだろう。慶應義塾大学准教授の大木聖子さんは、鉄道好きの5歳の息子の言葉にハッとさせられる経験をした。それは「こまち2両、はやぶさ3両が連結したら何両?」という質問への回答だった——。
慶應義塾大学准教授・大木聖子さん(地震学者)
撮影=堀隆弘
慶應義塾大学准教授・大木聖子さん(地震学者)

緊急事態宣言中、息子を肩車しながらオンライン講義した

息子はいま5歳。保育園の年長さんです。緊急事態宣言中も保育園はやっていたんですけど、私も夫も研究者でリモートワークができるので、5月いっぱいは保育園を休ませて、家族3人で過ごしました。

私たちが仕事をしている間、ずっとテレビやYouTubeを見せておくのはいやだったので、夜中の2時に起きて仕事を済ませました。日中はなるべく子供と向き合うようにしたいと思ったのです。

悩ましかったのは、オンラインでの講義や会議の時間。この時間だけは息子の相手ができませんし、夫に見ていてもらっても、気になるのか、書斎に入ってきてしまいます。最初のうちは「邪魔しないでね」と言ったりしていましたが、かえって騒ぎが大きくなってしまうので、私の机の横に椅子と、塗り絵や色鉛筆、プラレールドリルなどを置いて、「一緒にお仕事しよう。その代わりここではアリさんの声(小さな声)でしゃべってね」というふうにしました。

それでも静かにしていてくれるのは最初だけで、結局、息子を肩車した状態で講義をしたり、「ウンチしてくるね」「出たよー」という報告が生配信されたりしていました。そんな親子のやりとりを学生たちはおもしろがってくれたようです。私にとって息子は、生まれたときから“おもしろいボケをしてくる人”。私はそれを拾うツッコミ役。なんでも笑いに変える子育てを心がけていたので、今回も「ネタにするしかない」と思って乗り切りました(笑)。

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プレジデントFamily2020秋号』では、特集「勉強の遅れを取り戻せ」と題して、本稿の地震学者で慶應義塾大学准教授の大木聖子さんなどによる記事「コロナでどう変わったの? 東大OGママ わが家の子育て方針」のほか、「東大生の学習スタイル全公開『集中できる家庭』の秘密」「東大生が小学生時代に読んだ本2020」なども掲載している。ぜひ、手にとってご覧下さい。