マイナビ転職が実施したアンケート調査では、回答者の約半数が現在の給与年収を「満足していない・あまり満足していない」「働きに見合っていない」と答えています。
ここから、年収に不満を抱いているビジネスパーソンは少なくないことがうかがえますが、同時に「責任や負荷が変わるくらいなら、給与年収は今のままでいい」と答える人も多く、単純に年収が上がればいいと感じているわけでもないようです。
そもそも、年収とマインドの間にはどんな関係があるのでしょうか。高年収の人に共通する考え方とは何でしょうか。
データからは読み取りづらい年収とマインドの興味深い関係について、専門家のコメントをもとに掘り下げます。
立正大学客員教授。有限会社アンギルド代表取締役社長。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。社会心理学の知見をビジネスなどの実践的分野に応用する心理学系アクティビスト。趣味は釣りとガーデニング。著書に『世界最先端の研究が教える すごい心理学』(総合法令出版)、『いちいち気にしない心が手に入る本』(三笠書房)、『図解 身近にあふれる「心理学」が3時間でわかる本』(明日香出版社)、『職場のヤバい奴の頭の中』(東洋経済新報社)など。
「責任や負荷が増えるくらいなら無理に年収を上げなくてもいい」と考える人が多いワケ
マイナビ転職が2023年に実施した給与年収にまつわるアンケート調査(※)では、「責任や負荷が増えても給与年収が上がるほうがうれしい」(31.6%)よりも、「責任や負荷が変わるくらいなら給与年収は今のままでいい」(36.9%)と答えた人の割合が多くなりました。
この結果について内藤さんは「『責任や負荷』と『給料』の関係だけで理解しようとすると、本質を見誤るかもしれません」と指摘します。
「研究によると、出世を望んでいない人は勤めている会社のことを『好きではない』傾向が強い。逆に、会社が好きで会社に貢献したいと思っている人は、積極的に責任を引き受ける傾向にあります。これは、給料が上がる上がらないにかかわらず、です。
だから、終身雇用が自明のものではなくなり、会社と従業員の人格的な関係が薄まっている現代で、積極的に責任を引き受けよう、出世しようと考える人が減っているのも理解できます」
一方で、給与年収が今のままでいいのかというと、また話は違ってくるようです。アンケート調査では、全体の約半数が現在の給与年収を「働きに見合っていない」と答えています。
ここから、「責任や負荷が増えるなら無理に年収を増やさなくてもいい。でも、今の年収に満足はしていない」という回答者の“本音”が見えてきます。



