わたしたちは、好きで得意なことであればスムーズに素早く効率的に行うことができます。一方、嫌いで苦手なことはそう簡単にはいきません。それは、記憶を担う脳にとっても同じこと。記憶のためには、脳になるべくスムーズに素早く効率的に覚えてもらえるよう、脳の「好きで得意なこと」を活かした記憶術を知るのが近道です。

脳は言葉や文章を覚えるのが苦手

仕事や勉強のためにわたしたちが覚えたいことは、ほとんどが言葉や文章です。しかし、やっかいなことに、脳にとって言葉や文章は覚えにくいものの代表格です。ですから、それらを「イメージに変換する」ことが、しっかりと記憶するにあたって有効な手段となりえます。

でも、なぜ言葉や文章は脳にとって覚えにくいのでしょうか? この疑問に対しては、「脳はそのようにできているから」としか答えようがないのですが、わたしなりの考えをお伝えします。

(構成=岩川悟、清家茂樹 図版作成=木村友彦 撮影=玉井美世子)