顧客との会話を弾ませには何を話せばいいか。元JALのCAで研修コンサルタントの香山万由理さんは「気の利いたセリフを言う必要はない。閑古鳥が鳴いていたあるクリニックは、傾聴を徹底したことで、またたく間に患者さんであふれかえるようになった」という――。

※本稿は、香山万由理『仕事ができる人は、「人」のどこを見ているのか』(光文社)の一部を再編集したものです。

病院の待合室
写真=iStock.com/Nickbeer
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相手目線で自分の発する音に意識を向けてみる

仕事ができる人は、「返し」を見ている

あなたは近くでこんな音が聞こえたとき、どのように感じますか?

①ガタガタガタガタと貧乏ゆすりをしている
②首や肩の骨をしょっちゅうゴキゴキ鳴らしている
③パソコンのキーボードを打つ音が大きく、特にエンターキーをダーンッと叩く
④はあ〜はあ〜と何度もため息をついている
⑤くちゃくちゃと音を立てて咀嚼している
⑥ズルズルと音を立ててスープを食べている
⑦ドンドンドンドン!と大きな足音を立てて歩いている
⑧ウホン!ウホン!と咳払いを連発している
⑨食器をお箸でカンカンカンと叩く
⑩シーシーと音を立てながら、ようじで歯の汚れを取っている

これらは、不快に感じる音の代表的なものです。

相手が無意識のうちに立てる音が気になり始めると、やがて嫌悪感に変わる、という話はよくあることです。それほど、他人が無意識に発している音は、私たちの感情にまで大きな影響を与えるのです。

「なんだかわからないけど、あの人、苦手」という場合には、その人の発する音に不快感を抱いているのかもしれません。逆に、なんだか避けられていると感じるときは、自分の発している音を意識してみることです。音を注意してくれる人はなかなかいないので、自分自身で気づいて直していくことが必要です。