信用を得られる人は何を心がけているか。元JALのCAで研修コンサルタントの香山万由理さんは「視線ひとつで印象は大きく変わる。結婚相談所に登録していたある女性は、『目切りのタイミング』を意識すると、すぐに異性とお付き合いが始まり、成婚に至った」という――。

※本稿は、香山万由理『仕事ができる人は、「人」のどこを見ているのか』(光文社)の一部を再編集したものです。

機内でカートを押して乗客サービスを行う客室乗務員
写真=iStock.com/Kiwis
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「目切り」が速いと冷たく見える

仕事ができる人は、「視線」を見ている

自分では気をつけているつもりでも、態度やしぐさに、そのときの気分や感情が表れます。無意識に相手に失礼な印象や冷淡な印象を与えかねません。

こういうときは「自分をコントロールできていない」状態です。自分をコントロールできていないと、コミュニケーションコストが高い(意思疎通に時間や労力がかかる)と判断されます。早い話が「人あたりの良くない人」「面倒くさい人」と認定されてしまうのです。

一方、自分をコントロールできている状態でいると、相手にストレスを与えたり余計な気づかいをさせたりすることがありません。

そういう人はコミュニケーションコストが低いので、一緒に仕事をしてもストレスを感じません。接客業においても、お客さまとトラブルになることもなく、安心して重要な仕事を任せることができます。

そして、気分や感情以上にコントロールしにくいものが、何気ない「しぐさ」。これについて、私はCA時代、先輩から注意を受けたことがありました。

それは「目切りの速さ」です。

機内でお飲み物のサービスをするときは、短い時間で多くのお客さまにお届けしなければなりません。特にフライトタイムが短い路線で満席に近い状況ですと、急がなきゃ!という焦りが出てしまいがちです。

「お客さま、お飲み物はいかがでしょうか」
お客さま「ホットコーヒーをください」
「はい、かしこまりました」

と、コーヒーをカップに注ぎ、「熱いのでお気をつけください」とお声がけして、お客さまにコーヒーをお渡しするのですが、このとき、すでに次のお客さまに視線が移っていたのです。

対象から対象へと視線を移すときの動作を「目切り」と呼んでいます。目切りのスピードが速いと、スパスパと相手を切っているような印象を与え、事務的で冷淡に見られます。

私はその後、目切りの速さに気をつけ、ゆっくりと視線を動かすように心がけています。