我が友・三浦雄一郎さんの誘い

いざ、トライアルバイクへ!(写真提供:大前伶子氏)

杜甫の時代は70歳まで生きる人は「希(まれ)」だったのだろうが、今時は日本人の平均寿命にも及ばない。サプライズパーティで祝ってもらった身の上で大きな声では言えないが、70を迎えたぐらいで周囲から「古希だ」「めでたい」と言われるのも迷惑な話である。

昔も今も変わらない。『やりたいことは全部やれ!』という本に書いたように、やりたいようにやるだけ。コケたら人生それまでだ。

先般、友人の三浦雄一郎さんは80歳にして三度、エベレストの頂に立った。三浦さんが山へ行くたびに貧者の一灯で寄付金を供してきたが、傘寿にしてやりたいことをやり続ける気力と体力には感服する。

三浦さんに加山雄三さん(76歳)、ヱスビー食品の山崎達光名誉会長(78歳)、年上の仲間もずいぶん少なくなった。

何の仲間かといえば、要するにスポーツである。三浦さんはマウンテンクライマーでありプロスキーヤー。山にはいつも誘われるが、私は低酸素が苦手だから行かない。コロンビアの首都ボゴタ(標高約2600メートル)で講演しただけで頭が痛くなる。三浦さんと一緒にやるのはもっぱらスキーだ。

加山さんは言わずと知れた海の男で、スキーもインターハイレベル。山崎会長も世界最高峰のヨットレースであるアメリカス・カップで先頭に立ってやっていたヨットマンで、日本セーリング連盟の会長を長らく務めた。山崎さんは三浦さんが主宰する「ミウラ・ドルフィンズ(アンチエイジングや低酸素のトレーニングプログラムを研究・提供したり、キッズキャンプなどの活動を行っている)」のスポンサーを最近までやっていた。

トライアルバイク、スノーモービル、ジェットスキー、ダイビング……私は20代後半から30代の頃にいろいろなスポーツを始めた。以来、途切れることなく続けている。若い頃に始めたスポーツというのはいつまでもできるものだし、やっていると老いを感じない。

スノーモービルでカナダの氷河を駆け上がるたびに、「あと何回できるかな」とよく言っているが、打ち止めになる予定は当面ない。