世界中で転売ヤーによる買い占め・高額転売が深刻化している。海外メディアは、運転免許の予約枠、大学祭のチケットなども標的になっている実態を報じている。各国は罰則強化や規制導入で対応を急ぐが、日本ではコメを除けばほぼ「民間任せ」のままだ――。
「ニンテンドースイッチ2」の転売対策に世界が注目
高額転売で荒稼ぎする「転売ヤー」が横行している。人気かつ品薄の商品とあらば、たとえ私たちの生活に必要な主食・コメであろうと、躊躇せず餌食にする。高額転売を生業とする転売ヤーたちの姿勢からは、モラルの欠如が垣間見える。
コメに加え、このところ転売をからめて話題となっているのが、携帯型・据え置き型家庭用ゲーム機の「ニンテンドースイッチ2(以下「スイッチ2」)」だ。製造・販売する任天堂は、6月5日に発売されたニンテンドースイッチ2で転売対策を実施。公式通販サイトでの抽選販売にあたり、前期型でこれまで一定時間以上プレイしていることなど応募条件を設定した。
高額で売り抜ける目的で仕入る転売ヤーを排除し、実際にプレイするであろうユーザーに行き渡らせるための施策だ。任天堂の対策は海外でも注目を集め、米有力ゲームメディアのIGNなど各種媒体で取りあげられている。
コメからゲーム機まで…あらゆる商品に群がる転売ヤー
スイッチ2をめぐって大手家電量販店も、過去の購入金額など独自の応募条件を付けて転売対策を強化している。また、ネットオークションのYahoo!オークション(ヤフオク)は発売日からすべてのスイッチ2本体の出品を禁止し、違反者に出品削除やアカウント停止の措置を行っている。
8年前の初代スイッチ発売当時と比較すれば、確かに転売対策は確実に広がりを見せており、その点では隔世の感がある。だが、こうした対策はまだまだ民間レベルの試行錯誤に留まっているのが現状だ。

