③首都圏で生鮮を強く打ち出せるか
西友がウォルマート傘下になってから、食品の中でも鮮度が要求される生鮮三品と総菜の売り場が弱くなったと言われてきました。筆者もいくつかの売り場を定点観測してきていますが、都心より少し郊外の店舗では、オーケーやヤオコー、角上魚類といった成長しているスーパーに明らかに負けていると感じる店もありました。
トライアルは21年から「生鮮食品強化」を掲げて、徹底したフレッシュ(生鮮三品と総菜)強化を行っています。結果的に全社売り上げの74%が食品となり、そのうち生鮮・惣菜の売り上げ構成比が25%、前年比で13.3%の伸びを示しています(24年6月期同社データより)。
ディスカウントストアでありながら、徹底した購買データ分析とEDLPモデルに磨きをかけ、日本を代表するリテールAI企業になってきたトライアルのDXの取り組みを、西友に導入していくことができれば、弱みだった生鮮食品や総菜売り場を再構築できるかもしれません。
世の中では物価高、水道光熱費も上がり、家計を圧迫しています。
このような世の中になると、日々の生活費を抑えようという節約意識がさらに強まります。
世の中のタイパ意識、コスパ意識はより強く働くでしょう。
トライアルはタイパとコスパをデジタルで実現させた日本初の小売業と言ってもいい会社です。これからトライアルがどこまでの変革を西友に引き起こすのか、その取り組みに注目したいと思います。