2025年2月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお送りします。ライフ部門の第5位は――。
▼第1位 認知症から「逃げおおせた人」はこの能力が高かった…晩年をイキイキ過ごして天寿を全うする人の共通点
▼第2位 熱湯で溶かして飲むだけで胃がん、脳卒中リスクが低下…自律神経の専門家が推奨する"朝のスーパーフード"
▼第3位 お米でもパンでもない「朝食のお供」に意外なリスク…医師が警告「血糖値を上げないのに糖尿病を招く」食材の名前
▼第4位 猫背の真の原因は「肩」でも「背中」でもない…シャキッとした中高年が「毎日10秒だけ」ゆるめている"体の部位"
▼第5位 肉も酒も食べていい、ただしこれだけはNG…「ダイエット」の語源にもなった92kg男性が1年で21kg落とした方法
※本稿は、イェンヌ・ダムベリ『脂肪と人類』(新潮選書)の一部を再編集したものです。
靴紐も結べない92kgの巨漢
ロンドンの医師・ウィリアム・ハーヴィの診療所に、葬儀会社を経営するウィリアム・バンティングという男が足を踏み入れた。いや踏み入れたというと不正確で、足を引きずって入ってきた、とするほうがバンティング自身が感じていた現実に近い。
30歳を過ぎた頃からバンティングは肥満に苦しんできた。心底苦しんでいたのだ。彼が「邪悪」と呼んだ余分な体重は執拗な敵だった。今では65歳になり、順調な家族経営の会社で社長の座を退いたところだった。
19世紀から20世紀にかけては王室御用達の葬儀会社だったのが、バンティングの天才的なひらめきで事業を一般に広げて成功した。悲しくも豪華な行事を好む人々の役に立つビジネスだ。しかし次は自分の番ではないかと危惧していた。
バンティングは身長165センチながら体重が92キロにも及んでいた。ここまで太ると靴紐も結べず、階段では膝に負担がかからないように後ろ向きに降りるしかなかった。眠りも浅く、動悸と息切れがする。聴力もどんどん悪くなり、それでハーヴィの診療所を訪れたのだった。
「あなたは太り過ぎです」
ハーヴィはそう告げた。
「脂肪が片方の外耳道を圧迫している。体重を減らさないと」

