マウントを取ってくる相手にはどう対応すればいいのか。心理コーチとよかわさんは「マウンティングされたのなら、まずはなるべく早くその場から立ち去るのがおすすめ。それが難しい場合は、タイプ別に効果絶大な“切り返しフレーズ”を口にしてみよう」という――。

※本稿は、心理コーチとよかわ『マウント取る人 消す魔法』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

部下に指示するビジネスパーソン
写真=iStock.com/mapo
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マウントを取る人を、頭のなかから消す方法

「マウント取る人 消す魔法」のやり方を紹介しましょう。今回も、簡単過ぎて驚かないでくださいね。

マウントを取る人を消す魔法、それは、「マウントを取ってきた相手を観客席から眺めてエールを送る」ことです。たったこれだけで、マウントを取る人は消えてしまいます。

「えぇ? 観客席? エール? どういうことやねん?」と思った人も安心してください。順を追って説明していきますからね。

誰かからマウントを取られてイライラしたり傷ついたりしたら、まず、「あっ、マウント劇場のはじまりや!」と考えてください。

そして大事なのは、あなた自身がその劇の登場人物にならないことです。相手のマウント劇場の登場人物は、マウントを取ってきたその人だけです。イメージとしては、ひとり舞台ですね。舞台には、その人しか登場人物はいません。では、あなたがどこにいるかといえば、それは観客席です。

そうですね、2階の観客席から舞台を眺め下ろしているようなイメージがいいですね。観客席の椅子の背もたれに悠々ともたれかかったあなたは、こう考えます、「マウント劇場、頑張ってはりますなぁ。ええことですわ」。以上が「マウント取る人 消す魔法」です。

「メタ認知」でイライラが落ち着く

「えっ、それで終わり? そんなんでマウントを取る人が消えてくれるわけ?」と思いました? 大丈夫です、ちゃんと消えます。

「舞台」や「観客席」云々うんぬんは、もちろんあなたの頭のなかのイメージですよ。マウントを取られて嫌な思いをしたら、すかさず頭のなかでこのマウント劇場をイメージしてください。それだけで、マウントを取ってきた相手の存在はあなたの頭のなかですでに限りなく小さくなっています。

なぜなら、この時点で、もうメタ認知ができているからです。「メタ認知ってなんやったっけ?」と思った人もいますよね。少しだけおさらいしておきましょうか。

マンションの2階や3階から1階を見るイメージでものごとを捉えること、言い換えると、一歩引いてものごとを見ることを、「客観的に見る」「メタ認知」と呼ぶのでした。

つまり、マウント劇場の2階の観客席から舞台を眺め下ろすイメージができれば、メタ認知ができているのです。

そして、このような脳の使い方は、トカゲ脳(※)から人間脳へと脳の活動の場所を移すことでもありましたよね。激しく興奮していた頭のなかが鎮まり、トカゲから人間に進化できるのでした。つまり、イライラが自然と収まるのです。

[※トカゲ脳=爬虫類脳。トカゲ脳は相手にイライラしたり腹が立ったりして、人間としての冷静な脳ではなくなっている状態のこと。人間モードに戻るためにはメタ認知や抽象化が必要。本書(『マウント取る人 消す魔法』)の第2章参照]