※本稿は、富士通「テクノロジーニュース」の記事〈CES2025モビリティ総覧:CES2025が示した革新の全貌〉(1月17日公開)の一部を再編集したものです。
CES2025が示した「革新の全貌」
今年1月初旬、米国ラスベガスで開催されたCES2025は、モビリティの可能性を「移動」の概念を超え、社会全体を構築する力として再定義した。これまでもモビリティはCESの主要テーマとして注目を集めてきたが、今回のCES2025では、その意義がさらに進化・深化したことを感じた。電動化や自動運転などに加え、自律型の交通管理、スマートシティ、高効率な交通インフラといった、モビリティを支える包括的なエコシステムにも焦点が当てられた。
また、陸上、海上、空中を横断するテクノロジーは、社会構造の再設計やコミュニティの形成に寄与するビジョンも描き出した。移動が「つながり」としての役割を担い、人々の生活、都市の在り方、さらには地球規模の課題にまで影響を及ぼす姿が浮き彫りになった。本記事では、モビリティの主要トレンドを解説するとともに、私たちの社会がどのように進化していくのか、その全貌を探っていきたい。
加速する「自動運転テクノロジー」の進化
自動運転は、CES2025で現実味を帯びたテーマの一つとして存在感を放った。WaymoのロボタクシーやApexの自律型トラックは、自動運転テクノロジーの進化と商用利用の加速を示している。これらの車両は高度なセンサー、LiDAR、AIを活用し、人の運転者を超える安全性と効率性を実現。未来のビジョンとしてではなく、現実の課題に対する具体的なソリューションとして披露された。自動運転では、以下の写真の通り、「Autonomous Vehicles: The Future is Finally Here」というタイトルのセッションもあり、そこでも典型例として紹介されたのが、グーグルの持株会社Alphabet傘下のWaymoだ。
Waymoは昨年、驚異的な成長を遂げた。フェニックス、サンフランシスコ、ロサンゼルスでのロボタクシーの商用運行を大幅に拡大し、累計500万回を超えるドライバーレス・ライドを達成。運行エリアは500平方マイルに及び(2024年12月時点)、これは東京都23区の面積(約240平方マイル)の倍以上という広さだ。