院長の顔写真を前面に出したド派手な看板広告で知られる、八王子市の歯科医院・きぬた歯科。きぬた歯科はネット広告の存在感が増してきた時代にあえてリアル広告に投資する“逆張り”によって、ビジネス的な成功をおさめてきました。
ビジネスを立ち上げる時も、日々の仕事に向き合う時も、常識や慣例、大多数の考え方をあえて無視し、逆方向に動くことが成功の近道になる、というケースは少なくありません。一方で逆張りには、周囲の人から嫌われたり、失敗のリスクが上がったりするデメリットも。
なぜきぬた歯科は逆張りができたのでしょうか?
そこで今回、きぬた歯科を経営する歯科医師・きぬた泰和先生に、その特徴的な広告戦略だけでなく、広く仕事に向き合うマインドを伺いました。
インタビューを通じて見えてきたのは、世間体や周囲の声を気にせずやりたいことを貫き通す剛腕さ、そして目的のためには路線変更もいとわないしなやかさでした。
仕事でもっと突き抜けたい、と考えている方、必見です。
他院に看板をマネされても「過去最高の売り上げ」
――そういえば今日、取材の前に中央線沿いの住宅街を歩いていたら、きぬた歯科の看板にそっくりなデザインの他院の看板を何枚か目にしました。最初はきぬた歯科かと思ったんですが、よく見たら違って。
きぬた泰和先生(以下、きぬた):そうそう、きぬた歯科に似ているよその看板、よく見るでしょう。どうぞ好きにマネしてくださいって思ってるんですよ。うちは今年で開院29年を迎えますが、実を言うと、今期が過去最高の売り上げだったんです。最近はもうほとんど、中央線エリアに看板広告を増やしてないんですが。