――しませんね(笑)。
きぬた:でしょ? まぁ、会社で自分のやりたいことを押し通そうとしたら「あの人ちょっと強引だよね」くらいは言われるかもしれないけど、そんなのたかが数日ですよ。わざわざ嫌われる必要はもちろんないですけど、嫌われることを過剰に恐れる必要もないと思います。
年収を上げるとは、「金になるネタ」を考え続けること
――いま、マイナビ転職は「給与アップ応援宣言」と題して、あらゆる職種・業種の人々の給与アップを応援するプロジェクトを実施しています。きぬた先生の視点から、年収を上げるために必要なことは何だと思いますか?
きぬた:ゲーム感覚でもいいから、明確な目標に向かって何かをやることじゃないですか。僕が会社員だったとして、何が何でも社長になりたいという目標があったら、たぶん社内政治に人生を賭けると思います。そうではなく、もう少し主体的にキャリアを重ねていくなら、会社の利益につながるビジネスやアクション、すなわち「金になるネタ」を必死に探すでしょうね。それを会社にまずは進言してみて、もし受け入れられなかったら、転職なり独立なりを目指すと思います。
――金になるネタを探す、というのは具体的にどういうことでしょうか?
きぬた:歯科業界にしても、提供できるものが虫歯治療や矯正治療くらいしかなかったひと昔前は、まったく儲からないと言われていたんです。でも、現在はインプラント治療やマウスピース矯正といった自由診療を行う医院が増えたおかげでフェニックスのように復活し、業界全体が上向いている。どん詰まりだった歯科業界でもそれができるわけですから、たとえ斜陽産業だと言われている仕事でも、金になるネタは見つかると思うんですよ。
この春から僕の甥っ子が社会人になって企業に勤め始めたんですが、どうやら周りの社員がみんな嫌がる部署に配属されてしまったらしく、憂鬱そうにしていたんです。でも僕は、みんながやりたくない仕事ということは、発掘されていない何かがそこに埋まっているかもしれないんだから、むしろチャンスと捉えようと伝えました。毎日会社に通って注意深く周りを観察していれば、何か1つか2つくらい、金になるネタが絶対に見つかるはずですから。
――そういえばきぬた先生は、少し前、大阪・道頓堀の看板広告スペースに空きを見つけて「すぐに問い合わせるもあと一歩遅かった」とXでポストされていましたね。大阪にいても看板のことを考えられているのか、と驚きました。
昨日、道頓堀で発見❗上のワクワク看板より小さいながらも、目線が低く超目立つ。すぐ問い合わせるも一歩遅かった‼️
— きぬた歯科 @西八王子 (@kinutashika) November 4, 2024
初の大阪進出だったのに。チキショー。 pic.twitter.com/50AxvYPydp
きぬた:そうそう。家族が大阪旅行をしてみたいと言うので僕もついていって、道頓堀のあたりをブラついていたんですよ。そしたら有名なグリコの広告とちょうど反対側のビルの側面に看板の空きスペースを見つけて。サイズは小さいけれど、ちょうど目線の高さくらいの低い位置だったから、あそこに広告を出したらかなりのインパクトがあると直感的に思ったんです。結局、タッチの差で他の広告主に取られちゃったんですけどね。時の運もありますから、いまは次のチャンスを狙って屈み込んでいる状態です。
――そのくらい常に「金になるネタ」を探しているんですね。
きぬた:そうですよ。みんなもっと、何が金になるのかを日頃から考えたほうがいい。そうすることでアドレナリンが出て、若々しくもいられますから。思考停止しちゃダメ。だいたいの人はボーっとし過ぎなんです。