※本稿は、上月正博『100歳まで元気な心臓の育て方100』(宝島社新書)の一部を再編集したものです。
「1日2食」は効率が悪すぎる
「最近、少し体重が増えてきたから、1食抜いて調整しよう」。そう考えて、朝食や昼食を抜いて1日2食にする人がいます。
しかし、心臓の健康を守るためのダイエットという観点から見れば、これは極めて効率が悪く、むしろ逆効果になりかねない「危険な選択」です。食事の回数を減らすことは、私たちの体が本来持っている代謝の仕組みを狂わせ、かえって太りやすく、血管に負担をかける体質をつくってしまうからです。
食事を抜くことが肥満に直結する最大の理由は、次の食事をとった際の「血糖値の跳ね上がり」にあります。食事の間隔が長く空きすぎると、体は飢餓状態に近いと判断し、次に入ってきた栄養をできるだけ蓄えようと準備します。その状態で食事をとれば、血糖値は通常よりも急激に上昇します。
最悪なのは「食べていないのに痩せない」
血糖値が急騰すると、それを下げるためにインスリンが大量に分泌されます。インスリンには「余った糖分を脂肪として蓄える」という働きがあるため、同じ摂取カロリーであっても、回数を分けて食べるより一気に食べるほうが、脂肪として定着しやすくなるのです。1日2食にしたからといって、結果的に1回あたりのドカ食いを招いてしまえば、血管は血糖値スパイクの直撃を受け、心臓への負担は増すばかりです。
さらに、食事回数の減少は「筋肉量の低下」も引き起こします。体はエネルギーが不足すると、自らの筋肉を分解してエネルギーを補おうとします。筋肉が減れば基礎代謝が落ち、結果として「食べていないのに痩せない」「リバウンドしやすい」という、心臓にとっても避けたい肥満のスパイラルに陥ります。
さらには、筋肉量が低下すると、血液を心臓へ送り返す筋ポンプ作用もうまく働かなくなって、心臓の負担が増してしまいます。食事は「規則正しく1日3食」を守るようにしましょう。

