「糖質ダイエット」の落とし穴

まず理解しておくべきは、糖質(炭水化物)は心臓や脳を動かすための最も重要なエネルギー源であるということです。エネルギーが不足すると、私たちの体は自分の筋肉を分解してエネルギーを補おうとします。これによって全身の筋肉量が減少すると、基礎代謝が落ちて逆に太りやすい体質になってしまいます。

さらには、心臓そのものも「心筋」という筋肉でできていますから、過度な栄養不足は、心臓のポンプ機能を低下させることにもつながりかねません。

また、主食を極端にカットすることで、本来そこから摂取できたはずのほかの栄養素まで失われることも問題です。

米やパンなどの炭水化物は、エネルギー源であるだけでなく、心臓を守るために欠かせない食物繊維やビタミン類、さらには血管の健康を支えるミネラルも含んでいます。これらを食卓から排除してしまうと、栄養バランスが崩れて血管のしなやかさを保つ力が弱まり、動脈硬化を進行させるリスク要因になるのです。

「白米の代わり」は肉より玄米がいい

さらには、糖質を減らした分を「肉類」で補おうとするのも危険です。糖質を制限する代わりに、肉の脂身や加工肉などを過剰にとるようになると、今度は飽和脂肪酸の過剰摂取を招きます。これが悪玉(LDL)コレステロールを増やし、心筋梗塞のリスクを跳ね上げる原因となるのです。

大切なのは、糖質を「敵」として排除するのではなく、その「質」と「量」を適切にコントロールすることです。低GI食品をうまく活用しながら、白米を玄米に変える、食パンを全粒粉パンに変える、甘いお菓子を控えるといった賢い選択をベースにしつつ、体に必要なエネルギーは確保するようにしましょう。

炭水化物、米、ラーメン、パン、パスタなどを減らす
写真=iStock.com/zepp1969
※写真はイメージです