ダイエットのために運動しすぎると…
運動が習慣化して楽しくなってくると、ついついストイックに自分を追い込んでしまう方がいますが、これは大きな間違いです。息が切れるような高強度の運動は、心臓や血管にとっては老化を早める「毒」にさえなりえます。
強すぎる負荷が体に悪い理由は「炎症」と「エネルギー源の変化」にあります。低〜中強度の適度な運動には、体内の炎症を抑える働きがありますが、高強度の運動はその真逆です。激しい運動の後は、筋肉にほてりや痛みが残りますが、これは体内で炎症が起きている証拠です。血管に強い圧力がかかり、微細な損傷が生じることで、血管の若返りを阻害してしまうのです。
また、運動の強度によって、体が消費するエネルギー源が変わる点にも注目すべきです。心臓病や糖尿病、肥満などの改善を目的とする場合、本来は「体脂肪」を効率よく燃焼させたいはずです。
脂肪を燃やすには大量の酸素が必要ですが、強度の高い運動では酸素供給が追いつかず、体は酸素を使わない「糖質(グリコーゲン)」を優先的に消費するモードに切り替わります。その際、副産物として乳酸がたまり、結果として脂肪の分解はむしろ抑制されてしまうのです。
「30分でつらくない運動」がちょうどいい
さらに、血圧への影響も無視できません。低~中強度の運動は血管を広げ、血圧を下げる効果があるのに対し、高強度の運動では心臓が無理をして血液を送り出そうとするため、血圧が急上昇したまま下がりません。血管をしなやかに保つはずの運動が、かえって血管を酷使して硬くする結果となってしまうのです。
具体的な運動でいうと、ウォーキングやサイクリングのように、30分程度無理なく続けられる運動が最適です。一方で、テニスのように激しく動くものや、勝負にこだわるスポーツ、重いものを持ち上げるようなトレーニングは心臓に強い負担をかけます。
また、ジョギングやスイミングも、健康な人には有酸素運動でも、心臓に不安がある方には高強度な場合があるため、自分の体感を大切にしましょう。


