布団に入っているだけの時間もカウントされる

高齢者は寝すぎにより、1.57倍も死亡リスクが高くなる――。

今年2月、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」で、適切な睡眠をとった高齢者と、そうでない高齢者の死亡リスクの差が公表されました。睡眠時間や、眠り方などの生活習慣が、高齢者の寿命に影響を与えることが明らかになったのです。

ベッドと目覚まし時計
写真=iStock.com/sevendeman
※写真はイメージです

「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、世代ごとに推奨される睡眠時間が異なります。

小学生なら9〜12時間。中学・高校生は8〜10時間。成人は6時間以上。そして、高齢者は、〈床上時間が8時間以上にならないこと〉。

そもそも適切な睡眠時間には個人差がありますが、基本的にはエネルギー消費量に比例して、長く、深い睡眠が必要となります。逆に、加齢とともにエネルギー消費量が落ちると、睡眠は短く、浅くなっていくわけです。

これは、アメリカの睡眠学会が定めた適正睡眠時間を見てもわかります。25歳で約7時間、45歳で約6.5時間、65歳で約6時間……。20歳年齢が上がるごとに30分ずつ短縮されています。

なぜ、高齢者の寝すぎが、死亡リスクを高めて、寿命を縮めるのか。そこには、2つの理由があります。

1つ目が、睡眠時間が長いと睡眠の質自体が低下すること。

睡眠の質を測るうえでポイントとなるのが、起床時に体と心が休まったという実感を得られる「睡眠休養感」。長く寝たからといって、実際に眠れる時間が増えるわけではなく、むしろ入眠に時間がかかり、途中で目が覚めやすくなり、睡眠の質が悪化して睡眠休養感が低下します。

2つ目の理由が、日中の活動時間が減ること。日中の活動が減るとエネルギー消費量が減り、睡眠の質を低下させる……その結果、意欲が減退し、動くのがおっくうになるという悪循環に陥ってしまいます。