※本稿は、田中渓『億までの人 億からの人 ゴールドマン・サックス勤続17年の投資家が明かす「兆人」のマインド』(徳間書店)の一部を再編集したものです。
人間関係を意識して仕事を行う
お金に稼いでもらうことが大切。……といいつつも億を稼ぐようになる人は、資産を形成するまでは、自身の労働で稼がなければなりません。ですが、その働き方を見ていると、やはり圧倒的に違いがある、と感じます。投資でも取引でも、基本的には仕事は相手があることを前提に人間関係を意識した仕事ができている印象です。具体的には、以下のような共通点があると思います。
1.メールの返信が速い
2.情報提供や人の紹介を惜しまない
3.「ToDo」と時間軸の整理が明確
4.チームの稼働率を100%にできる
5.判断事項は、考えなしに持ち帰らず、その場で結論を出す
6.相手の立場が理解できている
7.いつでも責任感とオーナーシップを持って仕事をしている
富裕層は少なくとも4~5つ、ほとんどの場合7つすべてにチェックが入るでしょう。
それぞれの項目を簡単に解説していきます。
メールは丁寧な返信よりもとりあえず読んだことを伝える
富裕層マインド1.「メールの返信やアウトプットが速い」
メールの送り主はいつでも相手の反応を気にしています。時間をかけて丁寧な返信をするより、とりあえず「拝受しました」「のちほど改めて」のように、まずは何かしらのレスポンスを出すと相手は「読んで意識してくれているのだな」と、モヤモヤがなくなります。「スピード感×相手の心情を察して動く」は基本です。
富裕層マインド2.「情報提供や人の紹介を惜しまない」
富裕層は信頼している相手に対し、情報や人脈、持ち物ですら惜しまずに与えます。そこに信頼関係があれば、そういう人に対してはお返ししたくなるという心理が働くので(返報性の原理)、ますます人間関係が良好になり、その輪は広がりながら循環します。
富裕層マインド3.「『ToDo』と時間軸の整理が明確」
「何をいつまでにやればいいのか」をいつでも正確に把握しておくことは、時間コントロール、リソースコントロールをするうえで必須。会議や打ち合わせであれば、終了前2〜3分のタイミングで、そこで決まったことや持ち帰り事項、デッドラインや役割分担などをさらっと整理して、そのとおり実行します。また、要所要所でのフォローアップや、決めたデッドラインが近づいたときのリマインドも欠かしません。