結論を端的に伝えるには、どうすればいいか。関西テレビ放送アナウンサーの石田一洋さんは「テレビのニュースは、アナウンサーが顔出しをして伝える最初の1〜2文の『リード』で話題や伝えたいことを分かりやすく簡潔に予告する必要がある。わずか15秒・75文字程度だが、その力は大きく、このリードだけでもニュースの概要をつかむことができる」という――。
※本稿は、石田一洋『あなたの話はきちんと伝わっていますか?』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。
「結論」=「もっとも伝えたいこと」から話す
「説明をするときは結論から伝えるべし」という話は、一度は聞いたことがあると思います。ただ、聞いたことがあっても、実践できている人は多くありません。
「結論」を難しく考えてしまう人もいますが、説明の中で自分がもっとも伝えたいことと考えればOKです。
「結論」=「もっとも伝えたいこと」から話すだけで、説明は分かりやすくなります。
そして、結論を伝えた後は、重要度の高い順番に伝えていきます。
通常、結論の次は「理由」や「方法(どのように)」の部分が重要なケースが多いので、これらの順に伝えていくと、説明に対する納得感が高まります。
ちなみに、話を聞くとき、人の集中力がもっとも高くなるのは冒頭です。
最初に聞き手の興味をしっかり引きつけることができれば、その後の説明が少し長くなっても話を聞いてもらえる確率はグッと高くなります。
小学校で「起承転結」という文章の流れを教わった影響かもしれませんが、結論から話すことを意識していないと、多くの人は冒頭で「事実」や「出来事の説明」などの「起」の要素を話してしまうのです。
また、結論以外の部分は、いくらでも話を膨らませることができてしまいます。
すると、聞き手が求めていない細かい描写が延々と続いて、「結局、何が言いたいんだろう?」と思うような説明になってしまうのです。