自分の主張を相手に適切に届けるにはどうすればいいか。関西テレビ放送アナウンサーの石田一洋さんは「自分の考えを受け入れてもらうためには理由の強化が必要だ。例えば、『私がいま一番したいことは、女子大生とできるだけたくさん話をすることだ』という発言だけだと、『気持ち悪い』と多くの方が感じるため、その後に理由を付け加えるといい」という――。
※本稿は、石田一洋『あなたの話はきちんと伝わっていますか?』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。
人は理由が腑に落ちないと納得しない
自分の言いたいことを伝えるだけでは、説明として不十分です。
聞き手に納得してもらえなければ、その説明の価値は半減します。
そこで登場するのが、GREAT話法のR(Reason)=理由です。
人が納得するのは、「理由」が腑に落ちたときです。
話の内容がどれだけ素晴らしくても、その理由に納得できなければ行動は起きません。
逆に、もし主張が理不尽だったとしても、理由が納得できれば受け入れてもらえることもあるのです。
例えば、もし私が次のようなことを言ったら、周りの人はどう思うでしょうか?
「私がいま一番したいことは、女子大生とできるだけたくさん話をすることです」
この発言だけでは、おそらく「気持ち悪い!」と多くの方が感じるはずです。
しかし、その後に理由として次のような話をするとどうでしょう。
「実は、ある女子大の就活セミナーで『令和の女子大生の就活』というテーマで講演する予定なんです。だから、最近の女子大生の志望動向や、興味をできるだけつかんでおきたいんですよね」
このような説明が加わると、主張単体では納得できなかった話でも、少しは続きを聞いてみてもいいかなと思うようになるのではないでしょうか?
会議で自分の意見を通したいときや、誰かに何かをお願いするときなど、自分の考えを受け入れてもらうためには理由の強化が必要です。