まもなく入試シーズンを迎える。受験生は正月くらい休んだほうがいいのか。東大生作家の西岡壱誠さんは「この時期、多くの親御さんや受験生から聞かれる質問だ。東大生にアンケートを取ってみたところ、わかったことがある」という――。
初詣をする人々
写真=iStock.com/taka4332
※写真はイメージです

「休んだ」4割、「勉強していた」6割

寒さが厳しくなり、多くの受験生が「あと○日で入試がある」と気を揉むシーズンが到来しました。受験生にとってクリスマスや大晦日・元日なんて「追い込み」の時期でしかなく、休む間もなく勉強しているという人がほとんどだと思います。

そんな今の時期、多くの人からこんな質問をいただきます。親御さんからは「元日も、子供に勉強させるべきでしょうか。この日くらいは休ませてあげるべきなのではないか」と聞かれ、受験生からは「神社に初詣に行ってもいいものなのでしょうか」と聞かれます。

要するに、元日は勉強すべきかどうか、という質問です。確かに根を詰めがちな直前期において元日のちょっとした息抜きは必要だという意見にも一理ありそうな気もしますし、全く逆に「そんな時間なんて作らずに勉強するべき/させるべきだ」という意見も正しそうな気がします。

このことについて東大生にアンケートを取ると、約4割は「元日くらいは休んでいた」のですが、逆に約6割が「元日でも関係なく勉強をしていた」と答えていたのは非常に注目すべき点です。どうでしょうか? みなさんが思っていたよりも勉強している人の割合が多いと感じたのではないでしょうか。ここからは、それぞれの理由を見ていきます。

「視野」が狭くなると、ケアレスミスにつながる

まず、「元日くらいは休んでいた」という約4割の人たちです。話を聞くと、以下のような回答がありました。

・「年末年始もずっと勉強を続けて、この日だけは休むと決めていた」 文学部3年

・「この日を越えたら受験だ、という決意を決めて、休んでいた。視野が狭くなっていたので、この日にリフレッシュできてよかった」 経済学部4年

この「視野が狭くなる」(経済学部4年)ということについては、少し説明が必要かもしれません。これは試験中のミスを指しているのですが、「視野が狭くなって、通常では考えられないようなミス」が起こり得るということを意味しています。

試験直前になると、受験生はどうしても1問1問に対して集中し過ぎてしまいます。「1つの問題をいかに早く解くか」に意識が集中し、ヒントを見逃したり、マークミスをしたりと「普段やらないようなケアレスミス」を連発してしまうのです。例えば筆者の友人に、「マークミスで東大に落ちた」という人がいました。彼は今までの模試や他大学の試験では一度もマークミスをしていなかったのにもかかわらず、センター試験(当時)の本番だけ、マークミスをしてしまったのです。