「激落ちくん®」は1999年に誕生した掃除用品ブランドだ。「水だけで汚れが落ちる、洗剤いらずの魔法のスポンジ」として90%の認知度を誇るが、CMはほとんど展開したことがないという。それでも業界シェアNo.1に上り詰めた理由を、開発担当者に取材した――。
レック開発統括本部ハウスホールド部部長兼キャラクター推進部部長の竹下真由美さん
編集部撮影
レック開発統括本部ハウスホールド部部長兼キャラクター推進部部長の竹下真由美さん

累計販売個数2億個のロングセラー

コーヒーを飲んだ後のマグカップの茶渋、シンクや蛇口まわりについた水アカなど、頑固な汚れがどうしても落ちない……。そんなとき頼りになるのが、丸い目と太い吊り上がり眉毛がトレードマークの白いスポンジ「激落ちくん」だ。洗剤なしで汚れを簡単に落とす。

日用品メーカーのレックが1999年11月に発売した「激落ちくん」は口コミ効果で、右肩上がりに売れ続けている。約26年間で、サイズ違いの激落ちパパやママ、キングといった「家族」も登場し、スポンジの激落ちくんシリーズは総勢19品目、直近の年間販売個数は250万個に上る。

シリーズ全体の累計販売個数は2億個を突破し、今や押しも押されもせぬ同社のトップブランド商品となった。

茶渋やシンクの水垢、ステンレス鍋の焦げ、スニーカーの汚れなどに活躍する激落ちくんだが、なぜゴシゴシこすらずとも水だけで落ちるのだろうか。

スポンジの激落ちくんシリーズ(一部)
編集部撮影
スポンジの激落ちくんシリーズ(一部)

使えば使うほど小さくなっていく理由

企画開発を担当する開発統括本部ハウスホールド部部長兼キャラクター推進部部長の竹下真由美さんは、こう説明する。

「白いスポンジはメラミン樹脂を発泡してできたもので、細かなミクロの網目構造をしています。通常のポリウレタン樹脂のスポンジとは違って、網目構造がとても細かく硬くて崩れにくいため、汚れの間に入り込んで、汚れを掻き出す作用に優れているのです。

ふわっと軽くて柔らかい材質に見えますが、実は強力なパワーを備えていて、削って汚れを落とす研磨剤のような働きがあります。『激落ちくん』が使うたびに小さくなっていくのも、汚れが落ちると同時に削られていくからなのです」