豪雨が4年続き、日照りが10年続く……7世代にわたる荒唐無稽な長編小説

ノーベル賞作家の代表作「初の文庫化」で話題に

「長い歳月が流れて銃殺隊の前に立つはめになったとき、恐らくアウレリャノ・ブエンディア大佐は、父親のお供をして初めて氷というものを見た、あの遠い日の午後を思いだしたにちがいない」

この有名な一文で始まる本書は、南米コロンビアの作家、ガルシア=マルケスのベストセラーだ。1967年にアルゼンチンで出版されるや世界に衝撃を与え南米文学ブームを牽引。著者はノーベル文学賞を受賞した。全世界での累計発行部数は5000万部超。日本での初版は72年で著者没後10年となる2024年、初の文庫化である新潮文庫版が話題になっている。