健康な食生活を送るためには、野菜の食べ方にも注意する必要がある。東京慈恵会医科大学附属病院栄養部監修の書籍『完全版 その調理、9割の栄養捨ててます! 調理科学×栄養がとれる食べ方のコツ』(世界文化社)より、キャベツの栄養と調理法の解説をお届けする――。

「キャベツの芯」は栄養豊富

キャベツの外葉や芯は、捨ててしまう人が多い部位ですが、実は栄養豊富なのはこの2カ所。

ビタミンC、β-カロテン、カルシウム、マグネシウムは外側の葉3枚めまでに含まれ、特にビタミンAが8割、ビタミンCももっとも多い量を含んでいます。

一方、カリウム、リンなどは芯に3〜4割が含まれています。芯や外葉を捨てると、栄養の多くを捨ててしまうことに。

また、部位によって栄養素も食感も大きく変わるので、それぞれに適した食べ方をしましょう。

キャベツの芯を切り落としている手元
写真=iStock.com/Yuuji
「キャベツの芯」は栄養豊富(※写真はイメージです)

ビタミンUの46%は中心葉に含まれる

キャベツに含まれるビタミンU(キャベジン)は、ビタミンという名前ですが実はアミノ酸。胃の粘膜を回復させ、過剰な胃酸の分泌を抑える働きを持つ成分。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防に作用します。もちろん、ビタミンCや体内の消化の過程でがん予防、抗酸化効果もあり。

・内葉(結球葉)はミネラルの宝庫

内側の葉は、外葉や芯ほどではないとはいえビタミン・ミネラルがバランス良く含まれているほか、食物繊維も豊富で低カロリー。ほど良い食感と甘みがあり、さっと炒めればシャキッと、煮込めば甘みが感じられる仕上がりに。

・中心葉はビタミンUが全体の46%も

内側の芯に近づくにつれてアミノ酸が豊富に。特にビタミンUはこの部位がもっとも豊富で、全体の4割、内葉の4倍になることも。

一番甘くやわらかい部位でもあるので、サラダや浅漬けなどで生食にするのがおすすめです。