『刑事コロンボ』を寝室で流す理由

DJという職業柄、若いときは本当に不規則のお手本のような生活を送っていました。夜はDJとして朝までクラブで仕事。DJをやりながらTRFの活動も行っていたので、日中にも仕事がある。朝も夜も関係なく、寝られるときに寝られればいいやと、勢いだけで暮らしていた時期が長く続いていました。それこそ、朝起きて、その日動ければ健康だと思っていたんです。疲れているときは栄養ドリンクやエナジードリンクで無理やり目を覚ましたりもしていました。

DJ KOOさん
写真提供=エイベックス・マネジメント
DJ KOO
ダンス&ボーカルグループ「TRF」リーダー、DJ。1961年、東京都生まれ。神田外語学院在学中の80年からDJ活動を開始。92年にTRFを結成。トータルCD販売枚数は2200万枚を超える。

転機となったのは56歳のとき。あるテレビ番組で人間ドックを受診したところ、なんと脳動脈瘤が発覚。すぐに手術が決まりました。頭の半分にメスを入れる大手術で、どれだけ説明を受けても不安を拭えなかったことを鮮明に覚えています。幸い手術は無事に終わり、リハビリの甲斐もあって手術から2カ月後、仕事に復帰しました。