※本稿は、隅田咲『やせる背骨しぼり』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
「上半身をねじる」ことで代謝が上がる
やせる背骨しぼりには、最低限の労力で体脂肪を落とすための工夫が詰まっています。まずは、その基本動作をお試しください。
背すじを伸ばし、腰を正面に固定します。胸が真横を向くほどしぼり続けましょう。いかがでしたか。
日常生活で激減している動作の代表格といえば「上半身をねじる」です。人体の構造的には骨盤を正面に向けたまま真横を向けるくらいまではねじれますが、これができなくなりがちに。
この、できるはずの動きをしないことで、体の奥にあるやせ力が高い深層筋が眠ってしまうのです。そのぶん代謝が落ちて脂肪が溜まりやすくなっています。まずは、その状態をリセット。副次的にねこ背や巻き肩の解消効果も得られます。
やせる背骨しぼりは、このように背骨をしぼりあげた姿勢を1分間キープすることで、ほぼ動かずに体を、脂肪溜め込みモードからやせモードへと変えます。では、どうしてキツい運動も食事制限もせずに、そんなことができるのでしょうか。
その秘密は、体のなかに隠された「スパイラル・ライン」にあります。
やせにくいのは、筋肉のつながりを意識していないから
スパイラル・ラインとは、体をかたちづくる筋膜のつながりのひとつで、後頭部から足の裏まで、多種多様な部位の筋膜が含まれてできているものです。ここの動きが悪くなると、スパイラル・ラインに含まれていない筋肉や筋膜にまで悪影響が及びますが、やせにくいとおっしゃる方の多くは、ここがガチガチになっています。
また、スパイラル・ラインは背中とお腹の広範囲を覆っているため、体幹の筋肉ほぼすべてに関係するものです。だからスパイラル・ラインの動きさえよくなれば、体幹の深部でうまく働いていない脂肪燃焼の得意な筋肉もめざめさせられるのです。
もちろん、固まった筋肉や筋膜を一つひとつ伸ばしたりほぐしたりすることも可能ですが、かなりの時間と手間を要します。さらに、筋肉をつなぐ筋膜を的確に伸ばすには、専門的な知識や手法が必要です。
こうしためんどうなことを考えずに、体の奥で眠っている筋肉や筋膜をまとめて芋づる式に短時間で伸ばしてほぐす最善の手段が、やせる背骨しぼりでした。これは私が人生の大半を費やして学んできたバレエやピラティス、トレーニングにおける解剖学など体にまつわるすべてを踏まえ、生徒さんたちの声を聞き続けるなかたどり着いた結論です。
その秘密を紹介していきましょう。