背骨をしぼりあげると、固まった筋膜も伸びる

やせる背骨しぼり最大のポイントは、背骨を「しぼりあげ続ける」ことにあります。これをする理由は、多くの人は可動域が狭まった背骨のまわりにある筋肉がうまく働かなくなっており、筋膜も固まった状態だからです。

その状態のまま運動をしたとしても、動きにくい状態からは脱せません。ですが背骨を「しぼりあげ続ける」と、うまく働かなくなっていた筋肉も動かざるを得なくなりますし、それを「1分ほどキープ」することで硬くなっていた筋膜もじわじわ伸びていきます。

また、スパイラル・ラインはお腹のあたりで交差するので、背骨をしぼる動きをすれば必然的に、多くの筋肉が活性化され筋膜も伸びやすい状態に。

この動きの効果は体にどんどん積み重なっていくため、たとえ毎日やらなくても柔軟性は上がっていき、体は動きやすくなります。

筋膜がほぐれると、背骨まわりにある多裂筋たれつきん脊柱起立筋せきちゅうきりつきん腹斜筋ふくしゃきんなどの筋肉が伸び縮みしやすい状態に。これらの筋肉が活性化すると、ほかの多くの筋肉もスムーズに動くようになるため、脂肪燃焼力の高い体になります。

【図表3】多裂筋、脊柱起立筋
出典=『やせる背骨しぼり』(サンマーク出版)

眠っていた「深層筋」がめざめる

やせる背骨しぼりの魅力のひとつが、体の深部にある深層筋を活性化できることです。

深層筋は姿勢の維持などに使われることが多く、単純に関節を曲げ伸ばしするだけでは働きにくいという特徴があります。ところが背骨をしぼる動きをすると、それだけで背骨や関節のまわりについている深層筋が活性化し、きちんと働くようになるのです。

やせる背骨しぼりでよく動くようになる背骨は、おもに胸椎ですが、その際に内腹斜筋ないふくしゃきん、多裂筋、脊柱起立筋、骨盤底筋群こつばんていきんぐんなどの深層筋が活性化し、きちんと働くようになります。

【図表4】内腹斜筋 骨盤底筋群
出典=『やせる背骨しぼり』(サンマーク出版)

深層筋は一度鍛えると衰えにくいため、多少やせる背骨しぼりをサボったとしても脂肪燃焼効果は続くという、うれしい特徴があります。

この深層筋には、脂肪をエネルギー源として動く赤筋繊維が多く含まれています。つまり体幹が固まることでうまく働けていなかった深層筋は、脂肪をガンガン燃やしてくれる「やせ筋」でもあるということ。体の奥で眠っていた深層筋がめざめて働き出すから、自然に脂肪が減っていくというわけです。