現在の逆風は現政権への試練
4月の衆議院補欠選挙での自民党が3戦全敗という結果から、岸田政権は厳しい状況だとマスコミが報じているが、私はそれほど心配していない。3戦全敗といっても、2つの選挙区では候補者を立てていない不戦敗だし、直接対決で敗れた島根1区で当選した立憲民主党の亀井亜紀子氏は、元自民党の亀井久興元国土庁長官の娘であり、支援者には自民党支持者も多いとみられる。今回は、政治資金パーティー問題などでお灸を据えたいという有権者にとってちょうどよい候補者だったといえる。つまり、今回の選挙結果から、自民党支持層に大きなダメージがあったとはいえないだろう。
政治資金パーティーの問題では、政治資金規正法違反(虚偽記入など)で、安倍派と二階派と岸田派の会計責任者や秘書が在宅起訴、略式起訴となったものの、幹部は不起訴となった。政治資金収支報告書の扱いには問題があったといえるが、議員本人の私腹を肥やすような問題はないと検察が判断したといえる。たしかに裏金やキックバックといった悪いイメージが広まってしまったし、それを払しょくできない岸田政権にも課題はある。しかし、だからといって解散ができないほど追い込まれているわけでもない。いま、自民党の顔として選挙ができるのは岸田首相ただ一人である。これも一つの試練ととらえて思い切って解散したら、議席を多少減らしたとしても、政権は十分に維持できると考えている。
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