株式投資の対象はどう選べばいいのか。会計学博士の榊原正幸さんは、「東証プライム市場から、国際的に活躍する優良企業と財務的に優良な企業を選ぶと、約230社が残る。さらにここから、過去15年間にわたって安定的で高水準の配当を支払っている企業をしぼり込むと、15社しか残らない」という――。

※本稿は、榊原正幸『1冊でまるわかり 50歳からのトレーダー入門』(PHPビジネス新書)の一部を再編集したものです。

東京証券取引所
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ステップ1 投資対象企業を約230社にしぼる

まず投資対象企業は、「国際優良企業群」と「財務優良企業群」に限定します。「国際優良企業群」と「財務優良企業群」の定義と選別基準の詳細(なぜこういった選別が重要なのかなど)については、『現役大学教授が教える「お金の増やし方」の教科書』(PHP研究所)などの、過去の拙著をご参照ください。ここには、「国際優良企業群」と「財務優良企業群」の選別基準だけを掲載します。

☆国際優良企業の選別基準
〈第1基準〉毎年10月31日において、東証のTOPIX Core30とTOPIX Large70に該当する大企業
〈第2基準〉海外売上高比率が30%以上
〈第3基準〉1日平均の売買代金が30億円以上
〈第4基準〉BPS(1株当たり純資産)の値が500円以上、かつ、自己資本比率が30%以上


☆財務優良企業の選別基準
〈第1基準〉東証プライム市場上場企業
〈第2基準〉純資産額が500億円以上
〈第3基準〉1日平均の売買代金が1億円以上(純資産額が1000億円未満の企業のみに適用する基準)
〈第4基準〉BPSの値が1000円以上、かつ、自己資本比率が60%以上

これらの基準を満たす企業はいずれも超優良企業であり、投資対象企業の数は「約230社」です。上場企業の数は、東証プライム市場だけでも1650社以上ありますが、その中でも国際的に活躍する優良企業と財務的に優良な企業を230社程度にしぼり込みました。

これらの企業以外は見る必要がありません。そして、このようにして投資対象企業を一定の基準を満たした優良企業にしぼり込むことで、投資をしていても「安心できる」というのが重要なポイントです。