「ほとんどのお客さんが外国人」も珍しくない

実際に都内の人気焼肉店でも、3回転目の遅い時間は、店内のほとんどのお客さんが外国人というのも珍しくありません。

日本の焼肉店は海外でも有名で、どうしても食べてみたいという旅行者が多いのを私も肌で感じています。

日本を訪れる外国人の中には、本気で和牛を求めている方もいます。

・日本で食事をするためだけに、年に3回以上も日本を訪れるグルメ
・自国で豪州産Wagyuを扱うレストランを経営し、和牛を学びに来日したシェフ
・プライベートジェットで来日し、最高級の和牛だけを召し上がりたい某国の王族

私もこういった方々と一緒に食事をしたり、おすすめのお店の予約をしてあげたりすると、彼らは正直な感想をダイレクトに伝えてくれます。

和牛に求めるのは「柔らかさ」

興奮しながら賛辞を送ってくれる時もあれば、「あそこの料理はあまり口に合わなかった」といった感想もあります。

こういった際、必ず聞いているのが「どんなポイントが気に入って、どんなポイントが気に入らなかったのか」です。

こうして感想を集めていくと、日本を訪れる方が和牛に求めるのは圧倒的に「柔らかさ」だと感じます。

和牛の鉄板焼き
写真=iStock.com/Nopadol Uengbunchoo
和牛に求めるのは圧倒的に「柔らかさ」(※写真はイメージです)

噛み応えのある部位を食べてもあまり喜んでくれないのです。

なぜなら、そういった肉は自国でも食べることができるので、せっかく日本を訪れたのであれば、和牛の特徴の1つである柔らかさを存分に味わいたいそうです。

脂質が悪くサシ重視の去勢牛のサーロインなどを食べると、胃もたれするとはっきりと言われるので、彼らを心から満足させるピンピンの和牛を食べてもらうのは大変なことでもあります。