訪日外国人は「日本の焼肉」が大好きだ。なぜなのか。肉YouTuberの小池克臣さんは「日本を訪れる外国人が和牛に求めるのは圧倒的に『柔らかさ』。海外では、そもそも薄切り肉という調理法がなく、肉質の柔らかさを感じられる料理がない」という――。

※本稿は、小池克臣『肉ビジネス 食べるのが好きな人から専門家まで楽しく読める肉の教養』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

「和牛」の輸出量が年々増加している

年々増加している日本の和牛の輸出量ですが、その和牛は海外でどのようにして食べられているのでしょうか。

神戸牛
写真=iStock.com/JimmyFam
「和牛」の輸出量が年々増加している(※写真はイメージです)

海外に輸出された日本の和牛は、高級レストランや特別な精肉店などで目にするケースが多いです。

和牛はその独特の風味と、外国産の牛にはない霜降りの肉質が評価され、高級食材として海外でも人気があります。

薄切り肉はあまり置いていない

2019年、サンフランシスコに行った際に、日本から輸入した和牛を扱う精肉店やレストランを回る機会がありました。

高級精肉店では、4cmほどのアメリカ産のサーロインやリブロースがずらっと並んでいて、日本のような薄切り肉はあまり置いていませんでした。

肉はどれもそのままの状態で置かれていて、トレーなどには入れられておらず、陳列だけでも迫力がありました。

アメリカ産の牛肉の最高グレードであるプライムも並んでいました。

アメリカ産の牛肉も、米国農務省(USDA)によって日本と同じように格付けが行われ、牛の種類、成熟度、脂肪交雑、性別などを基準にグレードが決められています。