店内はインバウンドの外国人ばかり

私もつい最近、海外からの旅行者のInstagramで初めてその存在を知りました。

調べてみると、Instagramでの投稿数はすごい数で、そのほとんどが海外からの旅行者でした。

Hの創業は1966年で、神戸ビーフをはじめとした黒毛和牛を鉄板焼きでリーズナブルに食べられるお店です。

Hの店内は、お店の店員に間違って英語で話しかけられる日本人のお客さんがいるほど、インバウンドの外国人ばかりです。

むしろ、日本人の方が肩身の狭い思いをしてしまうくらいの雰囲気です。

kobe-beefのネームバリューは絶大

神戸ビーフは、素牛を但馬牛とする特別なブランド牛ですが、一般的な日本人には、数ある他のブランド牛との違いはあまり認知されていません。

しかし、海外では、kobe-beefのネームバリューは絶大です。

Wagyu=kobe-beefだと思われていたり、Wagyuの中の最高品質のブランド牛がkobe-beefだと認識されています。

小池克臣『肉ビジネス 食べるのが好きな人から専門家まで楽しく読める肉の教養』(クロスメディア・パブリッシング)
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だからこそ、本物の神戸ビーフ、目の前で調理される鉄板焼きのライブ感、1万円でお釣りがくる比較的手頃な価格帯、どれをとっても旅行者に人気があるのは納得ができます。

今後インバウンドが増えることを考えると、英語でのウェブサイトを充実させることで海外旅行客が入りやすくなり、予約や注文をオンラインにすれば、海外のお客さんの利便性を高めることができます。

また、メニューや案内の多言語化だけでなく、外国語が話せるスタッフの配置などを検討するのも良いでしょう。

これらの対策をしっかりと実施することで、飲食店はインバウンドの集客効果を高められるのではないでしょうか。

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