笑顔で楽しそうに話せる人は何をしているか。緊張しいから話し方のプロになった丸山久美子さんは「クセは出ないように気をつけても、緊張した状態ではふとした瞬間に出てしまう。ただし、直そうとするのではなく、自分のクセを知り新しい習慣を身につけることでそのクセが出ないようにするといい。また、家で一人でもYouTubeやテレビで面白いと感じたら声を出して笑う習慣をつけることで、日常的に心と笑い声が連動できるようになると、緊張する場面でも楽しめたり笑って話せたりするようになる」という――。

※本稿は、丸山久美子『緊張しても「うまく話せる人」と「話せない人」の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

iPhoneの画面にうつるYouTubeのアプリ
写真=iStock.com/5./15 WEST
※写真はイメージです

緊張するシーンではつい無意識にクセが発動する

クセとは、無意識についしてしまう言動のことです。

面白いもので、緊張して話すとその人特有のクセがあちこちから出てきます。

何度も何度も髪を触りながら話したり、「え〜と……」とか「あの〜……」と言ってしまうことが多かったり……心当たりのある方もいるのではないでしょうか。

リモート会議中に、鼻をすするクセがある人を見かけました。

きっと、ご本人は気づいていません。

他の人が話しているときは静かなのですが、自分が発言することになるとクセが発動し、鼻をすすり始めます。しかも、1分間に3回くらいという高頻度で鼻をすするのです。

いくら話の内容がよくても、途中で「ズビッ」「ズズズッ」と鼻をすする音が入ってくるので気になって仕方ありません(泣)。

意識して会議中に鼻をすする人はいないと思います。その人は、リモート会議でお会いする度に鼻をすするので、きっとクセなのでしょう。

クセを直すのは至難の業です。

例えば、先ほどの人に「鼻をすするクセを直しましょう」と伝えたら、きっと会議中に鼻をすすらないよう本人は気をつけると思います。

しかし、緊張するシーンではつい無意識にクセが発動する瞬間があります。鼻をすすった瞬間、ご本人は気づくはずです。そして「やばい! すすっちゃった!」と焦ることでしょう。