緊張して上手く話せないときは、どうすればいいか。緊張しいから話し方のプロになった丸山久美子さんは「世の中にはたくさんの緊張しいの人がいる。それは大舞台で活躍する人や芸能人も同じで、2023年の3月、WBC決勝後にピッチャーとしてマウンドに上がった大谷翔平選手は『本当に接戦のいいゲームで、最後ほんと緊張しましたけど、何とかおさえてよかったと思います』と語っている。自分が誰よりも緊張しいだと思っていると、いつまでたっても話し方が上達しない」という――。
※本稿は、丸山久美子『緊張しても「うまく話せる人」と「話せない人」の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
緊張は味方。克服せずに上手に付き合えばいい
人間には防衛本能があります。
防衛本能とは、身の安全を守るため、生命を維持するため、無意識に作動する本能のことです。
緊張は、まさにこの防衛本能の一種です。
慣れない場所にいたり、慣れない人と関わったり、慣れないことへチャレンジしているときに、「もしかしたら危険が潜んでいるかもしれないよ!」と、体のいたる部分を緊張させて教えてくれているのです。
医学の世界では、「緊張は、交感神経が優位に働いている状態である」ともよく言われています。
しかし、これを知ったところで、緊張したときに交感神経を操れるかはまた別ですよね。
実際、私はどうしたらいいのかわかりませんでした。
そこで、次のようにもう少し柔らかく理解することにしたのです。
「人間には防衛本能というものがあって、命が危険にさらされないよう自分の本能が自分を守ってくれている。新しい場所などでチャレンジをするときは、防衛本能が『ちょっと待って!』と体のいたる部分を緊張させてサインを出している。
緊張は、自分を守ろうとしてくれているサインであり、味方。
だから、克服しなくていい。
『守ろうとしてくれてありがとう』と受け入れて、上手に付き合っていけばいい」
こう理解したことで、私は苦しみから解放されました。