明石家さんま「緊張する方が成功する」

世の中にはたくさんの緊張しいな人がいます。

皆さん、緊張しながらもアレコレ工夫をして一生懸命に話しています。

自分だけでなく人も緊張すると理解している人は、緊張しながら話す人を見ると自分のことのように応援したり、尊敬の念を抱いたりします。

それだけでなく、どうしているのかを聞いて学ばせてもらったりします。同じ緊張しいな人の姿を励みに、自分も成長しようとアレコレ工夫をするのです。

しかし、自分が誰よりも緊張しいだと思い込んでいる人は、他の人のがんばりや工夫に気づくことがありません。気づけるセンサーを持っていないからです。

実は、私も自分が誰よりも緊張しいだと思っていました。人から学ぶどころか、「○○さんだからできるんだ」とひがむことが多かったです。

大きな失敗をして大恥をかくと、トラウマを抱え、話すことの自信がなくなって、また次の機会も失敗して、どんどん話すことを避けるようになっていきます。

そして、いつまでも「自分がいちばん緊張しいで、だから自分だけいつまでも失敗しているんだ」と思い込み続けるという何とも悲しいスパイラルを歩み続けるのです。

毎日テレビで見ない日はない、あの明石家さんまさんでさえこう言っています。

「緊張する方が成功するんですよ。それだけ考えているということだから。真剣に取り組むそのエネルギーが出ていくんですよ。客席とか画面に。(中略)緊張している方がテレビ番組的には伝わるんですよ。それが大事ですね。緊張しないやつはダメ」

私は、誰かとお話しするとき、よくこう聞きます。

「人前で話すとき、緊張するタイプですか?」

8割以上の人が「はい」と答えます。

世の中のほとんどの人が緊張しいです。みんな、一緒です。

緊張しながらどう工夫して、どうがんばっているのか。学ばせていただく習慣をつけていきましょう!

緊張はチャレンジの証拠

緊張したくない。緊張をなくしたい。緊張しない人になりたい。

あなたは、そう思って本書を手にしてくれたかもしれません。

大切なことをお伝えします。

緊張は、なくさないでください。緊張しいなあなたのままでいてください。

なぜなら「緊張はチャレンジの証拠」だからです。

私は、32歳でこのことに気がつきました。

小学生の頃から緊張しいな自覚があり、それでも人前で堂々と話せるようになりたくて、必死で緊張しいな自分を隠しながら生きてきました。

ずっと、ずっと、「緊張したくない」「緊張をなくしたい」「緊張しない自分になりたい」と思ってきました。

場数を踏めば緊張しなくなると信じていたので、思い切って人前で話す仕事を始め、がむしゃらに場数を踏みまくりました。これまでに、3000回以上は人前で話す仕事をしました。

どれほど緊張して足が震えても、噛んで恥をかいても、不甲斐ない自分に幻滅して泣いても、ひたすら場数を踏んだんです。

でも、緊張はなくなりませんでした。

それどころか、私は心も体も壊しました。

この時期は本当に辛かったです。

緊張すると、震えたり、吐いたり、眩暈めまいがしたり……。がんばりたいのに体がついてこなくなりました。

オフィスでうつに苦しんで頭を抱える女性
写真=iStock.com/tuaindeed
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