「付加価値を見つける力」が求められている

近年、教育の現場では「表現力」というものが問われるようになりました。

これは思考判断といわれるものです。新しい価値を見出す知性であり、頭がいいといわれる人が共通してもっている力です。

これを日常的に活用できているのが、数学者や、科学者といった人々。将棋の棋士などもそうですし、もちろん、スポーツ選手だってそうでしょう。

今までの方法を学習して知っていて、そのうえに新しい価値を加える。

そうした付加価値を見つける力が求められています。

「付加」するためには、今までのことをわかっている必要があります。

それには先述した受験勉強のように、コツコツと積み上げる地道な学習の蓄積が必要であることはいうまでもありません。

求められていることを正確にくみ取る

新たな付加価値を生み出せる人は、受験生型の努力を決して怠らなかった人という言い方もできるでしょう。

スポーツの世界でも、監督の立場からすれば「頭がいい選手」は大変にありがたい存在です。

たとえ身長が低くて体格には恵まれていなくても、頭がいい選手を監督は使いたいと考えます。

それは、監督が求めることをスピーディーに理解し、それを実行できるからです。

監督が自分に何を求めているかを正確にくみ取る。すなわち戦術理解力に長けているのです。

「この試合、相手がこう来るだろうから、今日はこういう戦術でいく。君はこういう役割だ。しかし、相手に大きな変化があれば、それに応じて変更する」と監督が伝えると、それをすぐに理解します。

サッカー
写真=iStock.com/Dziurek
「頭がいい選手」はありがたい存在(※写真はイメージです)