「いつまでも健康で長生き」とは
メディア等で「人生100年時代」などと謳われ、多くの人が「健康で長生きしたい」と思うのは、ごく普通のことのように思われています。「健康で長生き」とはどういう状態をイメージしているかを訊くと、「自分で歩けて、生活ができること」とみなさん答えます。では、それを何歳までできればハッピーかというと、多くの人のイメージは「90歳」です。
90歳まで自分のことが自力でできて、認知症にならない。でも、実際にはそういう人は5%もいないわけです。さらに、肝心なのはその先です。健康寿命は死亡するおよそ10年前ですから、「長生き」の希望が叶うとしても、90歳から動けなくなる。さらに、高齢になると脳が老化し、やがて認知症になって100歳まで生きることになる。多くの人が、元気で生きた「その先のこと」を考えていないのです。
内臓の寿命は遺伝子が決める
そもそも「自分は健康にいいことをしているから、寿命が延びる」と勘違いしている人が多い。それはひとつの罠で、臓器にはそれぞれ寿命があります。誰しも親の遺伝子を受け継いでいるため、生まれた時に各臓器の寿命がだいたい決まっているのです。
たとえば、肝臓の寿命が80歳の人は、若いうちから毎晩お酒を飲むと60歳で肝硬変になる可能性が高く、肝臓寿命が110歳で生まれた人は、いくらお酒を飲んでも80歳、90歳まで肝硬変にならない。肺が110歳までもつ遺伝子を持った人は、日常的にたばこを吸っても90歳まで大丈夫だけれど、肺の寿命が70歳の人は、同じようにタバコを吸ったら50歳で苦しくなったり、肺がんになったりします。
では、肺にいいことをしていたら、それが120歳になるか。肝臓にいいことを、目にいいことを、体にいいことをしたら寿命が延びるかというと延びないんです。悪いことをしていたら寿命は短くはなるけれど、いいことをしたからといって伸びるわけではないのです。

