解釈が変われば、過去の出来事だって変わる

イギリスの心理学者、リチャード・ワイズマン博士は、1000人以上を調査し、「自分は運がいい」と思っている人と「運が悪い」と思っている人の、行動の違いを明らかにしました。

高田明和『88歳医師の読むだけで気持ちがスッと軽くなる本 “年”を忘れるほど幸せな生き方』(三笠書房)
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「自分は運がいい」と思っている人は、物事の明るい面を見て行動を選択し、「自分は運が悪い」と思っている人は、物事の悪い面を見て行動を選ぶという結果でした。

たとえば、成功している昔の友人から飲みに誘われた場合。

明るい面を見る人は、「何か楽しい話が聞けるかな? いや、世知辛い話しか聞けなくても、それはそれで興味深い」と遊び心を持って誘いに乗っていたのに対し、暗い面を見る人は「どうせ自慢話でもされるのだろう」と思って断っていたのです。

この傾向を発見したワイズマン博士は、暗い面を見る傾向のある学生たちに、あえて「自分は運がいい」と思っている人がしている選択をするように指導しました。

その結果、指導された学生たちの80%が、「運がよくなった」「いいことが次々と起こるようになった」と実感したといいます。

「いいこと」も「悪いこと」も、結局のところ解釈の問題です。

思い出も「楽しい部分」が心に強く残っていれば、「いい思い出」になるし、「辛い部分」が強く残っていれば、思い出したくもない「悲しい思い出」や「嫌な思い出」になります。

たとえば、学生時代の恋愛経験は象徴的です。片思いではなく恋愛経験ですから、当然二人で楽しい時間をすごした日々はあったし、二人がその後別れているのであれば、辛い時間もあったでしょう。

その楽しい時間に焦点を当てているか、辛い時間に焦点を当てているかで、「素敵な青春の一ページ」になっている人もいれば、「二度と会いたくない人」となっている人もいます。

まずは夜寝る前にでも、一日のいろんな出来事のうち6割はありそうな「いいこと」、を確認することから始めてはいかがでしょうか?

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