見た目も心も若い人は何が違うか。浜松医科大学名誉教授の高田明和さんは「ハーバード大学の心理学者が行ったある実験で、被験者たちに30年ほど前を錯覚させる環境で過ごさせたところ、参加した高齢者たちには明らかな若返りが見られた。1年半前に脳卒中を起こして歩けなくなっていた88歳の男性に至っては、なんと自力で歩けるまでに身体機能が改善していた。『自分は若い』と思い込むことで、心身は若くなる」という――。

※本稿は、高田明和『88歳医師の読むだけで気持ちがスッと軽くなる本 “年”を忘れるほど幸せな生き方』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

杖を使い公園を散歩する老人
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「夢と希望」は心や肉体を若返らせるのか

「生涯現役」という言葉をよく耳にします。

いつまでも若い世代に伍しながら、衰えることなく若々しく、和気あいあいの人生を送る――そんなことができるなら、もちろん理想的です。

しかし、科学的に肉体は必ず衰えていくし、思考だって、徐々に世の中の変化についていけなくなります。だいたい、いつまでも老人が出しゃばっていたら、若い人たちとの世代交代の機会が失われてしまいます。だからといって「年をとった人間は、夢なんて持ってはいけない」などと言うつもりは、もちろんありません。

年をとったなと感じたときや、気持ちがちょっと落ち込んでいると感じたときほど、無理のない範囲で、夢や希望を持つことをおすすめします。

若いときは、「ああしたい、こうなりたい」「あれがほしい、あそこに行ってみたい」と、ときに無謀とも思える大きな夢を抱き、理想を追いかけようともしたでしょう。しかし、誰もが、すべての夢を叶えられるわけではありません。

画家になりたい人が全員、画家になれるわけではないし、ミュージシャンになりたい人が、誰でもミュージシャンになれるわけでもありません。ましてや、夢も仕事も家庭も友人関係も、すべてが理想どおり、なんていう人は極めて稀です。