相手に嫉妬を向けられたら、どのように対応すればいいか。浜松医科大学名誉教授の高田明和さんは「成功者や有名人が急に社会から消えるのは、世間の嫉妬に猛攻撃されるからだ。SNSでの発信が評判になり、著名になる人も少なくないが、そのような成功は破滅の危険もはらんでいる」という――。

※本稿は、高田明和『孤独にならない老い方』(成美堂出版)の一部を再編集したものです。

スマートフォンを見て動揺する女性
写真=iStock.com/Alexander Medvedev
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最も怖い嫉妬の猛攻撃を受けないために

ねたみは憎しみよりも始末におえない。

モラリスト ラ・ロシュフコー

人間の感情で最も怖いのは嫉妬です。

一世を風靡ふうびしたあるコメディアンが、こう言っていました。

「人間は金、地位、健康の一つを失うくらいでちょうどよい。みな持っていたら、嫉妬の猛攻撃を受ける」

「あの人は成功者だ。しかし、病気で苦しんでいる」とか、「すばらしい学者だけど貧乏だ」「ひと財産つくったが、しょせん成り上がり者」などと言われるくらいが安全だというのです。

その通りだと思います。多くの人が嫉妬に苦しんでいるからです。

私は浜松医科大学でも妻と共同研究を続けていました。しかし、私が教授になった一方、妻は助手のままでした。

そんな時、医学部の看護学科に生理の教授職ができることになったのです。教授になれる絶好の機会だと思って応募させました。