※本稿は、勝間和代『勝間式 超ロジカル選択術』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
「勝間式 超ロジカル選択術」3つのポイント
忙しい読者のために、勝間式 超ロジカル選択術の3つのポイントを最初にお伝えします。
②ベターな選択をしやすいように仕組み化する
③常にバックアッププランを用意する
それぞれについて説明します。
①選択肢を増やす
選択術と聞いたとき、多くの人は、与えられた選択肢の中から、よりよい答えを見つけるための方法論を想起するのではないでしょうか。
それも大切ですが、勝間式 超ロジカル選択術で重きを置くのは、そもそもどうしたら選択肢を増やせるのかということです。
よりよい決定をするには、4つ以上の選択肢から選ぶことが望ましいと考えています。
2つか3つしかない選択肢から選ぼうとすると、どうしても妥協しがちです。かといって選択肢が10も20もあると選ぶのが大変です。
4つ以上の選択肢があれば、まず3つの選択肢を検討する中で、自分の選択基準や優先順位が明確になります。その上で4つ目以降の選択肢と比較することで、より納得のいく選択ができます。
例えば車を買うときは、4台以上の車種に試乗してみることをおすすめします。自分が優先するのは車のデザインなのか、それとも広さ、安全性や燃費なのか、わかるからです。
数学者が実証した「36.8パーセントの法則」
このことはアメリカの数学者マーティン・ガードナー氏の研究によって実証されています。
「36.8パーセントの法則」と呼ばれるもので、例えば結婚相手を選ぶ際、候補者全体の36.8パーセントを超えるまではお見合いを続け、その後、それまで会った人と比べて一番いい相手を選ぶのがよいという結果が出ています。仮に候補者が10人いるとすれば、まず3人と会ってみて、その中で一番いいと思った人を基準として、4人目以降の候補者から選択するのがよいということになります。
私は普段の買い物でも、時間が許す限り、大きいスーパーマーケットまで足を延ばすようにしています。最寄りの店は小さいので、例えばカレールーを買うにもわずかな選択肢しかないからです。大きな店に行けば、それこそ数十種類もの商品が並んでいますから、たくさんの選択肢の中から自分の好みのものを選べます。
結婚や就職、住宅購入といった人生の大きな岐路においてさえ、2つか3つの選択肢から選ぼうとする人がいますが、危険と言わざるを得ません。そうした状況で、なかなか決められないと悩んでいる人は、目の前に2つや3つの選択肢しかない場合には、その中から無理に選択するのではなく、まず選択肢を増やす努力をしてみてほしいと思います。