新宿・歌舞伎町には「ヤクザマンション」と呼ばれる建物がある。暴力団の事務所が複数入居しているため、賃貸物件の家賃は相場よりも安いといういわく付きのマンションだ。そこでの生活はいったいどんなものなのか。ライター・國友公司さんの著書『ルポ歌舞伎町』(彩図社)より紹介しよう――。(第1回)
80年代初頭に建てられた“ヤクザマンション”
道端に放り出されたゴミ袋の中で残飯を漁るドブネズミがうごめいている。昨晩からゴミ袋のなかにいるのか、じっと食休みをしているドブネズミもいる。花道通りでそんな光景を眺めていると、歌舞伎町を回るゴミ収集車が目の前に停まった。
颯爽と車を降りたドライバーが道端のゴミ袋を車体後部に投げ入れる。ドブネズミが入ったままのゴミ袋が、押込み板によって奥へと押し込まれていく。早朝の歌舞伎町、なんとも不快な街である。
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