2023年上半期(1月~6月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。仕事術部門の第1位は――。(初公開日:2023年1月23日)
上司から急ぎの仕事を頼まれたとき、どのように返信するべきか。マナー講師の諏内えみさんは「『了解しました』は同僚や部下に対して使う言葉なのでNG。『承知しました』は間違いではないが、急ぎの仕事であればタイムリミットを確認する必要があるでしょう」という――。

※本稿は、諏内えみ『一生ものの「正しい敬語と上級の気遣い」 先生! ダメダメな私を2時間で仕事デキる風にしてください!』(KADOKAWA)を再編集したものです。

オフィスで部下に指示をする上司
写真=iStock.com/metamorworks
※写真はイメージです

上司に「参考になりました」は失礼

上司から仕事についてのレクチャーを受けた時、つい言ってしまいがちなのが「参考になりました」。

「参考」は、考えの足しにするという意味合いなので、目上の人に使うのは失礼にあたります。もし使うとすれば、「ご参考になれば幸いです」とあなたが上司に何か情報を渡す時です。

また、「大変勉強になりました」は一見良さそうな言い回しですが、あまりお勧めできません。「勉強になりました」は汎用性の高い言葉です。レクチャーやアドバイスを受けた時だけでなく、自慢話を聞かされた時にも使えます。

どの場面でも使える言葉というのは丁寧さや敬意に欠ける印象になり、感謝の気持ちが伝わりにくいのです。

上司のレクチャーを特別なこととしてありがたく受け止めた、という気持ちを伝えるならば、「○○の点は気づきませんでした。大変学びになりました」と言いましょう。

具体的な点に言及することで、相手(上司)は自分のアドバイスが確実に届いたと感じます。そして「勉強」よりも「学び」の方が、主体性を感じます。小さなことですが、ニュアンスに配慮して言葉を選択することが大きな差を生むのです。

「これからは気をつけます」より使えるフレーズ

先ほどの「勉強になりました」のように、汎用性の高い常套句はいくつかあります。

例えば、ミスをした時の「これからは気をつけます」。内容的に間違ってはいないのですが、そればかり言っていると「これからはって、この間も言ってたでしょ」と思われてしまいます。

「これからは気をつけます」の代わりに、「今後は随時確認を怠らず、不明な点があればご相談させていただくようにします」「ご迷惑をおかけしてしまった件については、チームで共有し再発防止に取り組みます」のように、具体性のある言い回しのバリエーションを持っておくといいでしょう。

また、上司の言葉に相槌を打つ時に「おっしゃる通りです」と言っていませんか? これも、繰り返し使うと耳障りな印象を受けます。「ご理解いただいている通りです」と、少し角度を変えた言い回しを身につけておきましょう。

常套句や定型句は、“とりあえず言っておけばいい無難な言葉”でもあります。使い古された言葉ともいえるでしょう。よく使ってしまう言葉を棚卸ししてチェックしておくことも大切です。