ChatGPTを使いこなすカギ「プロンプト」

ここからはGhatGPTの実践編に入っていきましょう。

ChatGPTを使いこなす上で最も重要な要素の1つは、適切なプロンプトの設定です。プロンプトとは、ChatGPTに入力するテキストのことで、AIが適切な回答や情報を提供するために重要な役割を果たします。適切なプロンプトを設定することで、望む結果を出力しやすくなります。

本から輝く文字
写真=iStock.com/themacx
※写真はイメージです

プロンプト設定の方法にはいくつかのポイントがあります。

明確で具体的な質問をする
AIが正確な回答を生成するためには、具体的で明確な質問が求められます。質問が曖昧であるほど、AIは適切な回答が難しくなります。

質問の文脈を提供する
ChatGPTに対する理解を深めるために、質問の背景や文脈を提供することが有益です。これにより、AIはより適切な回答を生成しやすくなります。

必要に応じて制約を設ける
ChatGPTに特定の制約を設けることで、回答の範囲を狭め、望む結果に近づけることができます。例えば、回答を特定の文字数に制限することなどが考えられます。

反復的な質問や確認
一度にすべての情報を得られない場合や、回答が不十分な場合には、反復的な質問や確認を行うことで、より適切な回答を引き出すことができます。

逐次的に質問をする、質問を分割する
複雑な質問や、複数の要素を含む質問は、いくつかの単純な質問に分割することで、より明確な回答が得られることがあります。
また、1つずつ逐次的に質問することで、それぞれの回答が前の質問の文脈に基づいて得られることを確認できます。

これらのポイントを踏まえてプロンプトを設定することで、ChatGPTを効果的に活用し、望む結果を得ることができるでしょう。プロンプト設定のスキルを磨くことは、AIとのコミュニケーションを円滑にし、より有益な情報を得るための重要なステップです。

ChatGPTへの「良い質問、悪い質問」の決定的な違い

良い質問と悪​い質問

では、具体的にプロンプトの設定方法のポイントを満たした良い質問と悪い質問を比較したときに得られる回答の精度を見ていきましょう。

良い例のプロンプト
「スタートアップ企業が成功するためには、どのような戦略が重要か。成功のための3つのポイントと、それぞれに関連する具体的なアクションを説明してください」

スタートアップ企業の成功に関連する戦略について具体的な情報を求めていることと、成功のための3つのポイントおよびそれぞれに関連する具体的なアクションを要求することで質問が明確になっています。

また、スタートアップ企業の成功に焦点を当てることで質問に文脈を与えています。

ここに文字数の制約を与えたり、限定的な条件を追記したりすることで、さらに適切な回答に近づくことができるでしょう。うまく回答が得られない場合は、質問の仕方を変えながらやりとりを続けると期待の回答に近づけていくことができます。

実際にこの質問をしてChatGPTから得られた回答が以下です。

スタートアップ企業が成功するためには、以下の3つのポイントが重要です。

1.顧客ニーズの理解と製品・サービスの適合性
成功のためには、ターゲット市場の顧客ニーズを深く理解し、それに適合する製品やサービスを開発することが重要です。具体的なアクションとしては、市場調査や顧客インタビューを行い、フィードバックを得ながら製品・サービスを改善し続けることです。

2.効果的なマーケティングとブランディング
スタートアップ企業は、競合他社と差別化されたブランドイメージを確立し、ターゲット顧客にリーチすることが重要です。具体的なアクションとしては、デジタルマーケティング戦略(ソーシャルメディア、コンテンツマーケティング、SEOなど)を活用し、効果的な広報活動を行うことです。

3.強固な財務管理と資金調達
スタートアップ企業は、効率的な資源活用と資金調達が成功の鍵となります。具体的なアクションとしては、予算管理やコスト削減に注意を払いながら、適切なタイミングで資金調達(エンジェル投資家、ベンチャーキャピタル、クラウドファンディングなど)を行うことです。

これらのポイントを押さえつつ、戦略の柔軟性を持ち、市場や状況の変化に適応できるスタートアップが成功するでしょう。