ChatGPTをビジネスの効率化に活用するにはどうすればいいか。経営コンサルタントの矢内東紀さんは「ChatGPTは会議のアジェンダ作成の補助に使用できる。例えば『次の会議のためのアジェンダ構造を提案してください』と入力すると、開会の挨拶、前回の会議のフォローアップ、各トピックの議論、アクションアイテムの割り当てなど、効果的なアジェンダ構造を提案してくれて一気に効率化できる」という――。

※本稿は、矢内東紀『ChatGPTの衝撃 AIが教えるAIの使い方』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。

ノートパソコンでビジネスレポートを入力する女性
写真=iStock.com/miniseries
※写真はイメージです

要約の精度向上には目的やスタイルを指定する

本稿では、ChatGPTをビジネスシーンでよくある作業に活用し、生産性を高める3つの方法をピックアップしました。順に見ていきましょう。

①要約作成

まず要約したい文章を入力し、要約の目的や希望する文字数を指定することで文章の要約ができます。以下に、具体的な質問例を示します。

「次の文章を100字以内で要約してください:“ChatGPTはOpenAIが開発した最先端のAI技術を利用した会話型のAIです。これにより、質問に答えるだけでなく、文章を作成することもできます。さらに、ChatGPTは様々な言語に対応しており、自動翻訳も可能です。しかし、依然として課題も存在し、高度な専門知識が必要な質問や、感情やニュアンスが重要な文章に対しては、完璧な回答が得られないことがあります”」

このように入力することで、ChatGPTは以下のような要約を提供できます。

「ChatGPTは、会話型AIで質問応答や文章作成ができ、多言語対応の自動翻訳も可能です。ただし、専門知識や感情・ニュアンスが重要な場合、回答が不十分なことがあります」

要約に関する制限や課題として、以下の点が挙げられます。

文字数制限
ChatGPTは、一度に返答できるトークン数に上限があります。トークンは、言語モデルがテキストを処理する際に用いる、単語や記号などの単位です。具体的なトークン数の上限は、モデルのバージョンや設定によって異なりますが、通常、一度に数百から数千トークンの範囲内で回答が生成されます。長すぎる回答が必要な場合、ユーザーは複数の小さな質問に分割して投げかけることで、より網羅的な回答を得ることができます。

精度を上げるポイント
要約の精度をアップするために重要なポイントは、明確で具体的な指示を与えることです。ChatGPTに要約を依頼する際、以下の点に注意してください。

・コンテキストの明示
入力文に文書や文章のコンテキストを明示することで、ChatGPTが適切な要約を生成しやすくなります。

・要約の目的やスタイル
要約の目的(一般向けの解説、専門家向けの要点整理など)やスタイル(フォーマル、カジュアル)を指定すると、より適切な要約が得られます。

・文字数やトークン数の制限
期待する要約の長さを明示することで、ChatGPTはその範囲内で最も適切な要約を生成しやすくなります。

これらのポイントを考慮し、明確で具体的な指示を与えることで、要約の精度を向上させることができます。